豊住線

経緯

城東エリアに位置する東京都江東区は、東西方向の鉄道は充実しているものの、南北方向は大江戸線が森下から勝どき方面に伸びている程度で、他には貨物専用線であるJR総武本線支線(越中島貨物線)があるのみで、バスが主流となっている。そこで江東区は越中島貨物線をLRT路線に転換するなど、区内を南北に縦貫する鉄軌道路線の可能性を模索していた。

2000年の運輸政策審議会答申第18号において、豊洲から東陽町、住吉などを経由して野田市へ至る鉄道を2015年までに整備着手することが適当とされた。この鉄道の計画自体はそれ以前から存在し、有楽町線の豊洲駅や半蔵門線の住吉駅、押上駅は将来本路線の開通を見込んだ構造で建設されている。しかし2004年に営団地下鉄が民営化されて発足した東京メトロは、長らく副都心線を最後に新線の建設は行わない方針を示しており進展は見られなかった。

その後築地市場を豊洲に移転する見返りとして、また東京メトロの株主である国と東京都が建設を促したことで東京メトロは方針を転換。南北線の品川延伸と共に、豊洲~住吉間の建設及び開業後の運営を行うことになった。

経過

2022年3月に東京メトロは第一種鉄道事業の許可を得た。同年8月に説明会が開催され、翌2023年9月には延伸工事の施工者の入札を公告した。

2024年現在未着工ではあるが、順調に建設が進めば2030年代半ばに開業する予定となっている。また、東陽町駅では東西線と接続駅になる予定で、東西線の混雑緩和が期待されている。現在は単独駅である東陽町駅も、今後大きな変化を遂げるだろう。