木場駅改良工事

経緯

営団初のシールドトンネル内にホームを設置した駅である木場駅。東西線開通当時は貯木場があり、水運が発達するほど細い川の多い地域だった特性上、木場駅ではシールドトンネル内にホームを設置した。しかし建設時の立坑を流用した改札口への階段、エスカレーター付近以外はホーム間の往来ができず、またホーム自体も幅が3mと狭い。深川ギャザリアなど木場駅周辺の再開発が進むにつれて、木場駅の利用者も増加しホームが手狭になっていた。そこで特に混雑するホーム中野方の約70mについて、既存のシールドトンネルを解体して地上から開削。新たな空間を構築することでホームやコンコースを拡張するほか、階段やエスカレーターなどの導線も増やすことにした。

経過

東西線で行われている改良工事のうち、最も進捗が見られなかった。それでも夜間には開削工事が進められていたが、世界で前例のない工事ということもあってか地面の掘り下げに難儀し、工事を進めようにもなかなか進められていなかった。その中新型コロナウイルスの感染拡大により行動様式が変化、通勤客の減少により木場駅の利用者も減少する。また2022年には有楽町線の豊洲と半蔵門線の住吉を結ぶ豊住線の建設が確定し、木場駅の近隣に枝川駅(仮称)が設置されることが計画されていることから、木場駅の利用者はさらに減少すると予想された。

そのため江東区は2022年10月に、木場駅の改良工事を無期限休止することを決め、掘り下げた地面を埋め戻し覆工板を撤去、道路を元の状態に復元する工事に着手するとした。なお木場駅の土被りは18mであるが、工事休止の時点で掘り下げは4mにも満たなかったという。

現在は道路復旧工事が実施されている。当初は2023年3月までの予定であったが、現在は2025年8月までの予定に延長されている。